種子島宇宙芸術祭 コンセプト

「宇宙の島」と呼ばれる種子島を舞台にして、アーティストが宇宙と向きあい、新しい創作の場ができあがることを願って「種子島宇宙芸術祭」を開催します。
日本の宇宙開発の主要な拠点に位置づけられている種子島では「宇宙」というテーマが、地域固有の文化として住民のなかで身近に根づいているところです。
宇宙センターに象徴されるような最先端科学技術と、この島にある豊かな自然や歴史、そして生活感あふれる文化が出会って、「自然と技術と文化の融合」が実現することを夢みています。

遠い昔に、古代人は高度な天文学的知識を持っていたことが知られています。彼らは星の運行を調べて宇宙の構造を解明しようとしました。それと同時に、夜空に星座を描いて、伝説や神話の豊かなイマジネーションをそこに投影しました。宇宙をとらえるということは、古くから科学技術の探究であると同時に創造力の発展でもあったわけです。
1968年に月周回軌道上のアポロから撮影された「地球の出」は、史上最も影響力のあった写真といわれています。宇宙から届けられたこの1枚の写真によって人類は、多くの視点・とらえかたがあることを学びました。

「宇宙」はわれわれが暮らす地球とそこに暮らす生命、果てしなく続く時間について、問い直す重要なキーワードになることがわかります。
では、宇宙に向き合って創作する現代のアーティストには何が可能なのでしょうか?
人間が広大な宇宙摂理のもとに抱かれていることをあらためて思い直し、今日のように科学技術が発達した現代においてこそ、もう一度人間の存在の原点をとらえ直すこと。「種子島宇宙芸術祭」に参加するアーティスト、科学者、エンジニアまたは島の方々とともに、次々と明らかにしてゆきたいと思います。

総合ディレクター 森脇裕之

img_concept_01

1968年12月24日に撮影された「地球の出」 NASA / Bill Ande