種子島宇宙芸術祭 コンセプト

「宇宙の島」と呼ばれる種子島で新しい芸術祭が始まります。 芸術祭のテーマは「宇宙」です。それぞれのアーティストが、独自の視点で宇宙 をとらえ、魅力的な宇宙体験が数多く登場することでしょう。

「宇宙」のことを考えたら、そのテーマはあまりに大きくて、本質的なことに対 峙せざるを得なくなったという声がアーティストのなかから聞こえてきまし た。宇宙をテーマにするということは、人間であれば誰もが直面する根源的な 問題をとらえ直すことなのかもしれません。

種子島は鉄砲の伝来で有名ですが、縄文・弥生時代からの遺跡が残っている古 い土地でもあります。歴史を今に伝える伝統的な風習や踊りの継承、数々の史 跡に触れることができ、おだやかな気候と豊かな自然にも恵まれて、ここは 人々の「生活」が生き生きと感じられるところです。その場所に未来への挑戦と もいえる、わが国の宇宙開発の拠点施設が存在することに運命的なものを感じ ざるを得ません。新しいものと古いものが、時間軸を超えて同居しているのが 種子島なのです。「宇宙」はわれわれが暮らす地球と生命、果てしなく続く時間 について問い直す、重要なキーワードであることがわかります。

芸術祭が始まるとアーティストは、島に入り込んで地域の人と協働で活動を始 めます。これまでの歴史がそうであったように、この島で受け入れて、ここから 日本の歴史が変わってゆくような、時代の大きな胎動をアーティストの活躍と ともに、ワークショップやイベントなど芸術祭の訪問者も参加して、みんなで つくる芸術祭で共有してゆきたいと考えています。

総合ディレクター 森脇裕之

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1968年12月24日に撮影された「地球の出」 NASA / Bill Ande