プレイベント

2014/07/03

かまどワークショップ

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2014年度プレイベントではワークショップも開催されています。それはかまどづくりや地元食材を使った料理など、火の使い方を通じて生きる力を学ぶ「火育」のワークショップでした。中平小学校の校庭のシンボル、せんだんの大木のもとで、こどもといっしょに手作りの土かまどをつくったのです。そしてできあがったかまどで、特産品である日本一早いコシヒカリを炊いて、おにぎりをみんなで食べる。

なぜ宇宙芸術で、おにぎりなのか?なかなか理解されにくいかもしれません。いつもの生活の風景と変わらない、これがどうして宇宙芸術なのでしょうか?その答えは作者のつけたタイトル「生命の営みと宇宙」からうかがい知れることができます。

もともと、このかまどプロジェクトは震災復興プロジェクトとしてスタートしました。

2011年の東日本大震災で被災した人々は、はからずも生命の極限状態を知ることになります。そのときアートによる社会貢献プロジェクトとして筑波大学の学生チームが現地で炊き出しを行いました。困った人たちを救うと同時に、その追いつめられた状況のなかに生命の大切さがにじみ出てくることをプロジェクトメンバー全員で味わうことになったのです。自分たちはなぜ生きているのだろうか?という問題について深く考えるようになったといいます。

2015年夏に「なぜ、人は宇宙をめざすのか」(*注1)という本が上梓されました。宇宙に本格的に進出する時代になったときに、人類はどのように変化するかという研究を、JAXAや学識者たちによってまとめられたものです。宇宙を見つめることによってわれわれが暮らしている地球とは?生命とは?人間そのものの存在を根本から問い直すことにつながってゆくことを、この本のなかではあらゆる学識分野から考察しています。

最近NASAの火星探査プロジェクトから重要な発表で、火星での水の存在が確認されたと話題になりました。この発見は火星の生命の存在の大きなヒントになるようです。また昨年打ち上げられた「はやぶさ2」の探査ミッションの一つは、生命の起源を求めることにあるといいます。私たちにはどうしても自分たちの原点を知りたいという根本的な願いがあって、芸術もまた同じ動機でそれにアプローチしているのです。

種子島の太陽、風、海、そして星空は、まぎれもなく宇宙の一員であるわれわれの原点を感じさせるものです。それと同時に、これらは生きるための生活そのものの姿であることに気づくはずである、かまどプロジェクトのメンバーは考えたのでした。

(*注1)『なぜ、人は宇宙をめざすのか』
「宇宙の人間学」から考える宇宙進出の意味と価値
「宇宙の人間学」研究会編 誠文堂新光社 2015年