プレイベント

ミッションin Tanegashima 2014

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東京では宇宙芸術展が盛りあがっている同じ時期に、種子島では第3回目となる芸術祭プレイベントが開催されていました。「ミッション in Tanegashima 2014」というタイトルで、いよいよ芸術祭のパイロットスタディとしてアーティスト・イン・レジデンスが試みられたのです。

7名5組のアーティストが種子島に滞在しながら、現地制作で作品づくりに取り組み、それぞれ独自の切り口によって、宇宙をテーマにした芸術作品が町の各所に展開されました。また活動の過程で、地域の住民との連携を深め、交流を通じて協働作業のあり方を探ってゆくことも、本格開催に向けての重要なノウハウづくりとなります。

たとえば、宿泊滞在のためのレジデンス施設の手配から始まって、アーティスト迎え入れるための移動手段、業者斡旋など作品制作に関するすべての業務を円滑に行えるような体制づくりは受け皿となる推進協議会もはじめての経験でした。

長期にわたる滞在制作では、人の手を借りたくなるときもありますね。アーティスト・イン・レジデンスを成功させるためにも、作品のお手伝いをするボランティアが重要なポイントになることがあります。しかし、いきなり訳もわからずお手伝いに借り出されるのも。

2014年度はアーティストの制作作業支援を通じて、地元住民との交流を促進するようにボランティア受け入れ制度を開始しました。滞在制作でお手伝いを募集するのは、作品制作の手が足りないというばかりではありません。(それも多分にありますが)作品のお手伝いをすることでアーティストと交流し、つきあってみるとその作品の意味を深く知ることになります。また自分がその一部を任されたとすれば、わが子のように作品を愛する気持ちも生まれるでしょう。地元住民の方々が暖かく手助けをして、協同作業によって苦労した作品が完成したときには、その作品はアーティストだけのものではなくなっています。芸術祭とは他所から偉いアーティストがやってきて、何か難しい作品を置いてゆくような、そんなものではないということです。積極的にボランティアに参加することを通じて、芸術祭がみんなのものになってゆくのが、芸術祭の裏ミッションなのです。

  • 名称:種子島宇宙芸術祭プレイベント2014「ミッション in Tanegashima」
  • 期間:2014年8月10日(日)~9月15日(月・祝)
  • 場所:鹿児島県熊毛郡南種子町上中周辺、種子島宇宙センターほか
  • 出展作家:開発好明、関根真紀、成田敬+筑波大学創造的復興プロジェクト、John L Tran、宇宙芸術研究部会(桜井龍、下山肇、高橋綾)
  • 公式サイト:http://tane-artfest.net/
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コミュニティ・アート

開発好明さんの「ロケットマップ」は、町の各所に見られるロケットに関するモニュメントやイメージをリストアップして、マップとしてまとめたものでした。数え上げてみれば町のあちこちにロケットオブジェを発見することができました。その中から興味深い20地点を選び出し、マップを頼りに町を巡って再発見してみようというものでした。そして写真左上のロケットは、これだけは本人が制作した「ロケット開発1号」。(開発というのは本名です。)これは現在も七色観望所に設置されています。ロケットマップは彫刻や絵画のように鑑賞する作品ではありません。作品の実体がありませんが、ロケットが当たり前のようにある町をもう一度見直して、新しいコミュニケーションが生まれるきっかけをつくり出す、コミュニティ・アートと呼ばれるものです。